2010年2月17日水曜日

徳さんのラストメッセージ?

こんにちは。USED CARセンターの村井です。
 
政府のいわゆる”エコカー補助金”が、日本で発売しているシトロエン車についても
(ごく一部の機種を除きます)適用されるようになりました。
シトロエンは日本での燃費試験を行っていないため、これまでは「適用除外」とされて
いたのですが、ヨーロッパで行った燃費試験のデータでも認められることになったた
め、補助金の適用が実現したものです。

 これで、13年以上経過したお車を、対象のシトロエン車にお乗替えいただく場合、25
万円の補助金を受けていただけることになります。実際には、細かな決まりがいくつか
ありますので、くわしくは当社のスタッフにご相談下さいね。
 このことは、制度をご利用いただけるお客様にとっても、また販売させていただく当社
にとっても、喜ばしいことです。



  ただ、昨今のエコカーブームには、少しばかり疑問も感じていたんですよね。
「ハイブリッドか、電気自動車でなければエコカーに非ず」といった風潮をマス
コミがつくってしまっていて、それにユーザーのみなさんが踊らされすぎな気が
します。
 ハイブリッド車を商品に持っていない”ひがみ”も多分にありますが、現在の
ハイブリッド車の技術は「渋滞がないとメリットを発揮できない」技術だと思います。
だからどんどん売って、もっと渋滞を増やさないといけないんでしょうか・・・?
ハイブリッド車の技術で「世界のエコカー技術をリードした!」と思い込んでしまう
のは(メーカーは思ってないでしょうが)、ゆくゆく日本の自動車産業を、世界に
通用しないものにしてしまうような気がします。
地方都市でも渋滞があって当たり前なのは、世界中で日本以外にはあまりないの
では?

 そんな折、徳大寺有恒さんが書いた「間違いだらけのエコカー選び」を読みまし
た。この本は、なかなかの力作です。

10・15モード燃費の参考にならなさ加減とその悪影響に始まり、日本の自動車行政
の問題では高速道路無料化の他、軽自動車の将来について意外な提案をしてい
ます。
地球全体のCO2削減を考えれば、内燃機関の効率を上げることが当面はまだまだ
重要なこと、それに取り組む技術の紹介など、、マスコミではスポットの当たりにくい
ことも取り上げています。
最後は日本人の車離れ(若者だけではないようです)にも言及し、ユーザーがクルマ
に関わることを疎外してきた、メーカーの責任であるとも。
 
後半の、個別のクルマ批評はちょっと拍子抜けしたところもありますが、提言はよく
理論武装されていて、「これを書くために徳さん相当勉強したな」と思わされます。
手厳しい意見も、すべては無類のクルマ好きである徳さんの自動車愛に包まれてい
て、これからも運転を楽しめる世の中が続きますようにという願いが。

徳大寺さんも、もうけっこうなお歳です。
もしかしたら「影響力のある本を書けるのもそろそろ最後かな?」といった想いも
あるのかもしれません。渾身の一冊だと思います。
ご興味の方はぜひ。
 
 徳大寺有恒(とくだいじ ありつね)著
 間違いだらけのエコカー選び
 ISBN:978-4-7593-1103-7